2022 | 09.21 | WED
絶対できないってことはない
キャンパスの職人たち vol.01

キャンプなどが楽しめる芝生エリアに池があることをご存知でしょうか?

実はこの池、〈THE CAMPUS〉の配管職人がゼロからつくり上げたもの。機械で土を掘り起こし、配管を埋めて、水を循環させるポンプや水量を調節するバルブを取り付けることで池を管理しています。

配管を担当したのは、この道40年以上という菊池さんです。キャンパスでは主に、水道やトイレなどの衛生設備を担当しています。配管工事の図面などは書かずに、頭の中のイメージをそのまま形にしていくという。

「池の水を浄化させるために、カキとホタテの殻を池の中に入れています。ほんとは石灰岩とかの方がいいけどなかなか手に入らないんで、バーベキューなんかやったときにカキとかホタテの殻を残しておいて、それを入れてみたら結構浄化して。いずれは浄化する構法をもっと研究していこうと思っています」

こうした浄化と合わせてポンプを24時間ずっと稼働させて、池の水を循環させています。そうしないと池の水質状態が悪くなり、トンボやカエルなどの生き物が来なくなってしまうそうなのです。職人がつくる美しい景観は、周りの自然との調和があってこそ成立します。

キャンパスの運営元である近藤設備に勤めて3年ほどになるという菊池さん。その前は自ら設備会社を経営していました。さまざまな仕事を請け負う中で、配管以外にも大工仕事や抗菌・防水関係など、工事関係の仕事はある程度やってきたと言います。

上の写真は、池の配管のバルブを調節するところ。設備屋のベテラン職人にこの仕事の魅力を教えてもらいました。

「新築工事より改修の方が面白いですね。改修工事はいろんな問題にぶちあたるんですけど、それを解決していくのが大好きです。どちらかというとやっかいな仕事なので、改修が好きな人はあまりいないですよ(笑)。改修内容が難しくても、絶対できないってことはないです。考えればできるんで。考えて、自分のものにして、配管するのが面白い。それでうまく水が出れば『やったな』って」

40年以上経った今でも、設備仕事は学び続けることがあるとも話します。

「この仕事やっていて嫌だってことはない。いくら年をとっても面白いですね。設備関係の仕事は、いくらでも覚えるものがいっぱいあります。管理者をやれば管理者の仕事があって、職長は職長の仕事があって、職人は職人しかできない仕事があって。自分の事業をやっているときは全部やってきたんで、それで近藤社長に信頼されたこともあって声をかけてもらったのかなと思います」

一方で、キャンパスで設備工事をする場合は関わる人も増える分、いろんな人の考えと折り合いをつけながら進めていく必要もあります。

「この工事をどうするかってときに、自分の考えもあるけど、社長は全然違う考えがあって、設計屋さんはまた全然違う考えがあって、というふうに考え方がバラバラなのでキャンパスの工事は難しいですね。それを自分の中で消化してどうにか調整していく」

職人たちのアイデアや創造力がぶつかり合うことで、キャンパスは少しずつ形を変え続けています。